コンテスト授賞

 

 

第1回 P&I パテントコンテスト

パテント・オブ・ザ・イヤー

 

2004118

 

特許番号                      特許 第3026087

発明の名称        「窒素ガリウム系化合物半導体の気相成長法」

特許権者                      豊田合成株式会社、名古屋大学長、科学技術振興事業団

発明者               赤ア 勇(名城大学教授)、平松和政(三重大学教授)、

                         天野 浩 (名城大学教授)、真部勝英,加藤久喜(順不同)

 

 

発明としての技術的特徴

 

本発明は、サファイア基板上に窒化ガリウム層を結晶性良く成長させるために、窒化アルミニウムからなるバッファ層を低温で気相成長法によって形成する技術である。結晶性の良い窒化ガリウム層は、発光素子に代表される半導体デバイスにとって必須であり、低温窒化アルミニウムバッファ層の形成技術は、代替性のない技術として大変有益性が高いものと評価される。

 

特許権としての特徴

 

本発明は、製造方法に関する特許であるが、結晶性の良い窒化ガリウム層を用いるデバイスに広く適用し得る特許である。また、権利の安定性という意味では、異議申立ての審判過程を経て、特許成立が維持されているため安定性の高い特許として評価できる。さらに、関連特許(特許3348656号,特許3418384号、特許3534252号、特願2001-222016号は審査係属中)及び海外の特許取得(米国5122845号、独国4006499)もなされており、権利の網羅性も高い。

 

市場面から見た評価

 

窒化ガリウムを用いる代表的な青色発光素子は、今後、DVDのピックアップ等、様々な領域で採用が期待される半導体デバイスである。例えば、青色ダイオードについては、2005年ごろ本格的に市場が立ちあがり、僅か5年で10倍以上の市場規模になることが予想される。200587億円20081295億円Source Data Garage

 

東京工業大学精密工学研究所 P&Iパテントコンテスト事務局 幹事:益 一哉、大嶋洋一